木彫り看板「木のわ」の立ち上げ
明治三十一年より、国指定伝統工芸「井波彫刻」の工房として
南部白雲木彫刻工房はその伝統と技を育んできました。
全国各地で衰退していく伝統文化もあれば、次世代に継ぐ事に尽力し、
新たに日の目をあび進化するものもあります。
三代目白雲は平成元年頃より、井波彫刻の新たな伝統の一つにと「木彫り看板」に力を注いできました。
「木彫刻を生業とするには、仕事があるということが大前提。
そしてそこに”魅力”がなければ後継者は育たない」
現代に受け入れられるものを、そして井波彫刻に”魅力”を。
先代から今に積み上げてきた事を土台に始めた「木彫り看板」において、
平成29年「木のわ」を立ち上げました。
日本には古く「江戸看板」という看板文化があります。
当時はまだ文字を読める人の少ない世の中。
その多くは天然の木を使ったものが多く、それを見ただけで何のお店かがわかる「デザイン」は
今改めて見ると遊び心がありユニーク、その手作りの風合いに心が和みます。
景観になじみ、人の心を豊かにしてくれる、遊び心のある木彫り看板。
江戸看板文化に習い、井波彫刻の技術で新しい「看板文化」を作っていきたいと、そう思うのです。
「木のわ」の由来
木のわ の「わ」には3つの意味を込めました。
ひとつめは年輪の「輪」
木の恩恵に感謝を。そして年輪のようにコツコツと積み重ねていくことを大切に。
ふたつめは日本の「和」
日常の中に遊び心を。そんな日本人の豊かな文化を忘れずに。
みっつめは人のつながりを意味する「輪」
木彫り看板が人と人、縁をつないでいってくれますように。
木の看板を彫ることが
巡り巡って豊かな「わ」となっていったら・・・
そんな嬉しいことはありません。
三代目 南部白雲 Nanbu Hakuun Ⅲ